創業者である故・ジャニー喜多川氏が最後に手掛けた正統派グループとしてデビューしたKing & Prince。彼らには当初から「世界で通用するアーティストになる」という明確なDNAが刷り込まれていた。
レッスンを重ね、海外プロデューサーとのセッションを渇望していたメンバーに対し、事務所上層部との対話は次第に平行線をたどる。面談の機会すら満足に得られなかったという生々しい証言は、当時の硬直した意思決定プロセスを物語る。
時間は待ってくれない。20代後半というキャリアの黄金期を迎えるにあたり、「今動かなければ一生後悔する」という焦燥感は想像以上に強烈だった。ドームツアーを満員にする国内トップアイドルの座を投げ打ってでも、見果てぬ荒野へ飛び出す選択。それは外から見れば無謀に映るが、表現者としては極めて純粋な選択だった。