ネテロ会長との極限の闘走の末、メルエムの体内を蝕んだ「ミニチュアローズ」の遅効性毒。死の足音が刻一刻と近づく中、王が最後に欲したのは全世界のひれ伏す姿でも、種の栄光でもなかった。ただコムギと静かに盤を囲む、残りわずかな時間だった。
毒が感染するリスクを知りながら、コムギは「私もお供させてください」と微笑み、王の傍らに留まることを決意する。真っ暗な闇の中に響く「コムギ、居るか?」「はいはい、居ますよ」という短い言葉のやり取り。一切の背景を削ぎ落とし、黒いコマと吹き出しだけで構築されたあの最期のシーンは、世界中のクリエイターや読者に衝撃を与え、今なお語り継がれる漫画表現の極致である。