川崎駅西口の広大なペデストリアンデッキを降りると、そこはもう幸区のエリアだ。ラゾーナ川崎プラザやミューザ川崎シンフォニーホールが放つ圧倒的な商業・文化のエネルギー。これらを庭のように使い倒せる贅沢は、区民だけの特権と言っていい。
しかし、西口通りを一本中へ折れると景色は一変する。塚越や南河原のあたりには、昭和の面影を残す個人商店や昔ながらの銭湯がひっそりと暖簾を掲げている。大型モールの無機質な便利さと、顔なじみの店主と交わす挨拶。この「ハイパーモダンと人情味」のコントラストこそが、住む人の心を掴んで離さない理由だ。