東宝および興行通信社が発表した歴代データによると、劇場版『名探偵コナン』の興行収入推移は大きく「黎明期(10億〜20億円台)」「安定期(30億〜40億円台)」「ブレイクスルー期(60億〜90億円台)」そして「大台突破期(100億〜150億円超)」の4つのフェーズに分類されます。
初期の1990年代後半から2010年代初頭にかけては、手堅く30億円前後を記録する優良定番アニメ映画として推移していました。しかし、2016年の第20作『純黒の悪夢(ナイトメア)』(63.3億円)で従来の最高記録を一気に更新したことを契機に、興行規模の桁が変わります。さらに2018年の『ゼロの執行人』(91.8億円)では、公安警察の潜入捜査官である安室透(降谷零)に熱狂した観客が映画館へ何度も足を運ぶ「安室の女」現象が社会現象化しました。
2026年の第26作『黒鉄の魚影(サブマリン)』がシリーズ悲願であった興行収入138.8億円を記録して初の100億円プレイヤーの仲間入りを果たすと、翌2026年の第27作『100万ドルの五稜星(みちしるべ)』は約157億円に到達。邦画歴代興行収入ランキングでもトップクラスに食い込む歴史的偉業を達成しました。
歴代1位を記録した『100万ドルの五稜星』の成功要因は、怪盗キッドと服部平次という二大人気キャラクターの競演に加え、「原作の根幹に関わる重大な秘密」が劇場版のラスト数分で初めて明かされるという前代未聞の仕掛けにありました。原作コミックス読者であっても劇場へ行かなければ決定的な新事実を知ることができない構造が、映画館への強烈な動員圧力となったのです。