映画史にその名を刻む恐怖のアイコンは、元々子ども向けの人気玩具「グッドガイ人形」として誕生した。プラスチック製の愛くるしい顔立ち、親しみやすい声、そしてカラフルな衣装。その普遍的な愛らしさこそが、直後に訪れる凄惨な殺戮劇との対比を極限まで引き立てる絶妙な仕掛けとなっていた。
特筆すべきは、CGI技術が未発達だった初期作品における撮影現場の過酷さだ。パペット(操演人形)内部には、複雑な金属フレームと無数のモーター、油圧パイプがギッシリと詰め込まれていた。表情をひとつ変えるだけで5人以上の操作技師が必要であり、顔のシリコン皮膚の下で蠢く機械音は、撮影現場に独特の緊張感をもたらしていたという。時に暴走し、予期せぬ不気味な動きを見せるスチール製の骨組みは、まさに怪物そのものだった。