テクノロジーが進化する一方で、砂漠の最前線で汗を流すフィールドワーカーの存在なくして蝗害対策は成り立たない。日本発のベストセラー『バッタを倒しにアフリカへ』の著者として知られる前野ウルド浩太郎氏(国際農林水産業研究センター(JIRCAS)主任研究員)らの献身的な研究は、今や国際的にも極めて高い評価を得ている。
前野氏らはモーリタニアをはじめとする西アフリカの過酷な砂漠に単身入り込み、灼熱の太陽の下でバッタの交尾行動や産卵場所の微細な環境選好を追究してきた。机上のシミュレーションだけでは捉えきれない「生きた虫の癖」を泥臭く解き明かしたJIRCASの知見は、AI予測モデルのパラメータ補正や現地防除チームのオペレーション設計において不可欠な土台となっている。