従来の都市緑化といえば、屋上庭園や申し訳程度の街路樹が主流だった。しかし、このプロジェクトが提示した解答は次元が異なる。地上数階分に匹敵する吹抜け構造の内部には、南米や東南アジアから移植された数千種の熱帯植物が生い茂り、独自の温湿度管理システムによって完全な生態系が再現されている。
「単に植物を飾るのではなく、都市の真ん中に異質な『自然の猛威』を持ち込むことが狙いでした」と、プロジェクトを手掛けた都市空間デザイナーは語る。人工的な滝から響く水音と、計算し尽くされた音響システムが奏でる鳥や昆虫の啼き声。ここには、人間がコントロールしきれない自然の圧倒的なスケール感があえて残されている。