構成面における最大の革新は、その独特な形式にある。独立した複数の短編が緩やかに繋がり合うオムニバス映画の構造を持ちながら、テンポ良く展開するコメディドラマとしての連続性も兼ね備えているのだ。
この実験的なアプローチを陰で支えたのが、フランス国立映画映像センター(CNC)による革新的な制作助成プログラムだ。公的な手厚い支援があるからこそ、商業主義に流されすぎないエッジの効いた脚本制作が可能となった。パリの文化的な深みと、思わずクスッと笑ってしまうブラックユーモアの絶妙な塩梅は、過激化する欧州の映画産業において新たな表現の可能性を提示している。