世紀を跨いでもその求心力は衰えない。世界的大ヒットを記録した映画『ボヘミアン・ラプソディ』(Bohemian Rhapsody)の劇中でも、ジョン・ディーコンがスタジオでふとベースラインを弾き始め、メンバーが次第に引き込まれていく印象的なシーンとして描かれた。あの描写をきっかけに、リアルタイムを知らないZ世代がこの楽曲の魅力に直面した。
現在、SpotifyやApple Musicといった主要配信プラットフォームにおいて、本作の再生回数は数十億規模に達している。驚くべきは、ヒップホップやEDMを聴き慣れた現代のリスナーが、生演奏によるタイトなリズムセクションの生々しさを「新鮮なバイブス」として消費している点だ。アルゴリズムが支配するプレイリスト文化の中でも、曲頭のベース一音で空間を支配する力は唯一無二の存在感を放ち続けている。