日本の製菓技術は世界的に見てもトップクラスの領域に達している。その立役者の一人である辻口博啓シェフは、和の食材とフランス菓子の技法を融合させた独自のスタイルで一時代を築き上げた。和三盆や抹茶、日本各地の希少な柑橘類を活かしたアプローチは、世界の製菓界にも大きな影響を与えている。
彼の背中を追う若手シェフたちもまた、国内の多様なテロワール(風土)を意識した作品を次々と発表している。今や日本のパティスリーは単なる西洋の模倣ではなく、素材のルーツを探求し、文化を発信するメディアとしての役割まで担うようになった。