ふたりの出会いは、北島康介氏がロンドン五輪を目指して過酷なトレーニングを重ねていた2010年秋に遡ります。共通の知人を介した食事会で同席したことがきっかけでした。当時、千紗さんはavexが総力を挙げてプロデュースした大型ユニット「girl next door」の顔として紅白歌合戦に連続出場するなど、過密スケジュールの真っ只中にありました。一方の北島氏もアメリカを拠点に競技生活を続けており、東京とロサンゼルスという遠距離を越えながら静かに愛を育んでいきました。
取材関係者の証言によると、第一線で強烈なプレッシャーに晒されながら戦う者同士、言葉を交わさずとも通じ合える精神的なシンパシーが交際初期から存在していたといいます。北島氏がロンドン五輪男子400mメドレーリレーで銀メダルを獲得した直後の2012年夏、北島氏からのプロポーズによって婚約が成立。そして2013年1月1日に婚約を正式発表し、同年9月に婚姻届を提出するに至りました。
世間を驚かせたのは、結婚の発表と同時に明かされた千紗さんの芸能界完全引退でした。多くのファンが活動継続を望むなか、彼女は「夫となる人を全力で支えるため、専業主婦として家庭に入る」という道を選びます。当時、人気絶頂期にあった女性ボーカリストが、一切の未練を残さず表舞台から姿を消す決断を下した背景には、アスリートの極限のコンディション管理と食生活を最優先でサポートしたいという並々ならぬ覚悟がありました。