大奥の人間関係を読み解く上で欠かせないのが、頂点に君臨する徳川将軍、公家や武家から輿入れした正妻である御台所(みだいどころ)、世継ぎを産む使命を帯びた側室たち、そして大奥の実権を握る大奥総取締という4つの権力軸です。
表舞台である幕政(老中・側用人)の思惑と、大奥内部の序列争いが密接に連動している点が、本作のサスペンス性を高める最大の要因となっています。特に第10代将軍・徳川家治の治世を描いたフジテレビ版では、公家出身の五十宮倫子と将軍・家治の純愛を軸にしながらも、側室のお知保やお品、大奥総取締の松島の局、さらに幕閣を牛耳る田沼意次や松平定信の野望が複雑怪奇に絡み合いました。
大奥内部は単なるハーレムではなく、血統の維持と政治的発言権を賭けた「女たちの戦場」です。誰が誰と結託し、誰を失脚させようとしているのかという構図を把握することが、ドラマを何倍も深く味わうための鍵となります。