SNSやネット掲示板では「地震対策としてタンスの上にL字金具をつけておけば絶対に安心」という言説が散見されますが、防災の専門現場から見ればこれは危険な誤解を孕んでいます。
家具転倒防止において最も多い破損パターンは、金具自体の破断ではなく「家具側の天板合板がめくれ上がる破損」または「壁側ビスの引き抜き」です。現代の組立家具の多くは中空構造のフラッシュ構造板やMDF合板が使われており、天板の中央付近はビスを保持する芯材が入っていません。
L字金具で家具を固定する際は、家具の「天板の端」ではなく、強固な芯が入っている「側板の直上」を狙って金具を取り付ける必要があります。また、金具を固定する向きにも法則があります。家具の天板上に「上向きL字」で取り付けると揺れでビスが垂直に引き抜かれやすいため、可能な限り家具の内側や上部から壁へダイレクトに効かせる配置設計が推奨されます。