京都・嵯峨野に構えられた庵「寂庵」は、長年にわたり多くの悩める人々を引き寄せる聖地であった。定期的に開かれた青空説法には全国から参拝客が押し寄せ、彼女の軽妙でユーモアあふれる語り口に涙し、救われて帰っていった。晩年になっても発信力は衰えず、文藝春秋をはじめとする主要メディアで多数の連載やコラムを執筆し、時代の知恵袋としての役割を果たし続けた。
死後数年が経過した現在、新たな波が起きている。NHKで放映された未公開映像を含むドキュメンタリー番組や、Netflixで世界配信された特集映像・関連作品によって、生前の彼女を知らない世代や海外の視聴者へとその名が広がっているのだ。デジタル時代の孤独やSNSによる疲弊に悩む若者たちが、時代を超えて語りかけてくる彼女の言葉に「究極の癒やし」と「生きる強さ」を見出している現象は実に興味深い。