和彫りの真髄は、描かれるモチーフの物語性と身体の調和にある。龍、虎、鳳凰、あるいは不動明王や般若。それぞれの絵柄には古来より受け継がれてきた象徴的意味があり、波や雲、岩といった「見切り」と呼ばれる背景と合わさることで、身体全体が一幅の絵巻物へと昇華する。自身の内面や生き様と響き合わない安易な選択は、歳月を経たときに迷いを生む原因になりかねない。
施術後のアフターケアも作品の完成度を決定づける重要な工程だ。肌の治癒期間における適切な保湿、雑菌からの保護、紫外線対策を怠れば、いかに名工の手による線であっても色飛びや滲みを招いてしまう。彫師の技術と依頼主の節制、その双方が揃って初めて、一生色褪せない誇り高き墨が完成する。 (出典: 大阪 和 彫り(Yahoo!ニュース))