介護現場において頻発するのが、親を施設に預けることに対する子世代の「罪悪感」と、退所要請に追い詰められて生じる「家族間の共依存・介護うつ」です。家族社会学の観点からも、介護者が倒れて共倒れになる悲劇は絶対に避けなければなりません。家族と本人が健全な心理的バウンダリー(境界線)を保つために、老健を活用すべき基準を明確に設定することが重要です。
老健を真っ先に選ぶべき人・家族
- 退院後すぐに自宅へ戻すには身体機能や介助量に不安がある人
- 集中的なリハビリを受ければ、自力歩行や排泄の自立が見込める人
- 特養の待機期間中(数ヶ月〜半年)の安全な療養先を確保したい人
- 自宅介護に限界を感じ、介護者が心身を立て直す猶予期間を必要としている家族
老健ではなく特養や有料老人ホームを優先すべき人
- すでに認知症が重度でリハビリの指示が通らず、終身での看取りを希望している人
- 数ヶ月ごとの施設移動や退所調整が家族にとって極めて大きな心理的負担になる場合
- 手厚いホスピタリティや完全プライベート空間での充実したレクリエーションを求める人