夕闇が東山の山端を包み込む頃、長楽館は昼間の華やかさから一転し、妖艶とも言える深い静寂を纏い始める。2026年の京都観光において最大の関心事となっている「ナイトタイムの価値創出」において、長楽館のフレンチレストラン「ル シェーヌ(LE CHENE)」は異彩を放っている。
かつてのメインダイニングルームで提供されるのは、京都近郊の厳選された生産者から届く極上の食材と、古典的なフランス料理の技術を現代的に昇華させたディナーコースだ。ネオ・バロック様式の優美な装飾のもと、重厚なカトラリーが響く音すらも演出の一部となる。
食後は、隠れ家のような「BAR MADEIRA(バー マディラ)」へ。村井吉兵衛が愛したマディラワインをはじめ、稀少なヴィンテージボトルがずらりと並ぶカウンターで、京の夜長を傾ける。これぞ大人だけに許された贅沢な夜の過ごし方だ。