長年、暗く重苦しいバンドの終焉の象徴とされてきたのが、1970年に公開されたドキュメンタリー映画『Let It Be』だ。メンバー同士の不穏な会話や冷え切った視線が強調され、ファンにとっても直視しがたい映像作品として長く語り継がれてきた。
しかし、ピーター・ジャクソン監督の手によって映像が鮮明に修復され、Disney+で配信されたドキュメンタリー映画『ザ・ビートルズ:Get Back』は、その従来のイメージを大きく覆した。未公開だった膨大な映像には、冗談を言い合い、アイデアを出し合って笑顔でセッションを重ねる4人の姿が収められていた。崩壊に向かう葛藤のなかにも確かな絆と音楽的熱量が確かに存在していたことが、時を超えて明かされたのだ。