ネット上の情報や旅行掲示板では、「利尻島には熊がいないから、食べ残しを放置しても大丈夫」「野生動物のリスクは一切ない」といった極端な言説が散見されます。しかし、ここには2つの重大な盲点が存在します。
第1の盲点は、「海を泳いで渡る可能性は今後もゼロではない」という点です。北海道本土側でヒグマの生息数が増加傾向にある中、宗谷海峡周辺の海域を若い個体が再び泳ぎ渡ってくる可能性は将来的に否定できません。利尻礼文サロベツ国立公園の管理事務所では、現在も定期的な痕跡調査とカメラトラップによる監視を怠っていません。
第2の盲点は、他の野生生物や自然環境に対するマナーです。利尻島にはキタキツネが生息しており、エキノコックス症のリスクや残飯による生態系の乱れが存在します。「ヒグマがいない=ゴミや食料を無防備に扱ってよい」という認識は、島の貴重な高山植物群落や固有種を守る上で厳に慎まなければなりません。