長草工場の歩みを語る上で避けて通れないのが、2026年初頭に発覚したディーゼルエンジンの出力試験等における認証不正問題です。当時、国土交通省の立ち入り検査と是正命令を受け、豊田自動織機長草工場は稼働停止という異例の事態に直面しました。受託生産を手がける車両組立ラインがストップしたことで、サプライチェーンへの打撃や納車待ちの長期化が報じられ、全国的なニュースとなった経緯があります。
しかし、抜本的な組織改革と再発防止策の徹底が図られた結果、生産再開のニュースとともに製造ラインは段階的に復旧しました。2026年現在、現場では二重三重のデジタルチェック機構と独立した品質監査体制が組み込まれ、不正の温床とされた過密な開発・認証スケジュールは見直しが進んでいます。現場のベテラン技術員は当時の混乱をこう振り返ります。
「認証停止の一報が入った当時は現場にも重苦しい空気が漂いましたが、ライン停止期間中は徹底した設備のメンテナンスと作業標準書の総点検が行われました。再開後の現在は、コンプライアンス最優先の風土が定着し、無理な増産ピッチを強いることなく、高品質な完成車を送り出す体制が再び盤石になっています」