グローバル配信時代における彼女の存在感を決定づけたのが、Netflixシリーズ『舞妓さんちのまかないさん』だ。世界的名匠・是枝裕和監督が総合演出を手がけた本作で、常盤は花街の屋形を束ねる「梓さん」を演じ、国内外から絶賛を浴びた。
演じた梓さんは、伝統の世界に生きながらも軽やかで、どこか少女のような自由さを失わない大人の女性。是枝監督が創り出す日常の機微や生活の匂い立つ空間において、彼女の自然体な演技は見事な化学反応を起こした。セリフの間合いひとつ、視線の投げ方ひとつで物語に奥行きを与えるその技量は、まさに円熟の極みといえる。
撮影現場の舞台裏では、若い共演者たちを温かく見守り、現場の空気を和ませる精神的支柱としても機能していたという。世界190カ国以上に配信された本作を通じて、日本のみならず海外の映画ファンにも「Takako Tokiwa」の底力が改めて刻み込まれることとなった。