文学の世界にとどまらず、ポップカルチャーの最前線でもこのスピリットは炸裂している。アイドルグループのアンジュルムがリリースした楽曲『タデ食う虫もLike it!』は、まさにこの慣用句を現代的な自己肯定のアンセムへとアップデートした快作だ。
作詞・作曲を手掛けた星部ショウは、他人の評価や周囲の視線に怯える現代人に対し、「自分が好きならそれでいい」という力強いメッセージをポップなリズムに乗せて提示した。従来のJ-POPが描いてきた「誰もが共感できる等身大の恋愛」とは一線を画し、自分のマイナーな「好き」を胸を張って叫ぶ姿は、同世代の若者を中心に爆発的な共感を呼んだ。「偏愛」は隠すものではなく、誇るべき個性なのだ。