かつてのテレビや雑誌が提示する「美」は、極めて限定的だった。しかし、個人の発信が主役となった現代のメディア環境では、多様な肌トーンを持つモデルやクリエイターがスポットライトを浴びている。フィルターを通さない、リアルな肌の質感が支持される時代だ。
これにより、消費者の購買行動も変化した。ファンデーションのカラーバリエーションは劇的に増え、これまで「標準色」とされてきた明るめのオークルだけでなく、深みのあるトーンが店頭の目立つ場所に並ぶようになった。選択肢が増えることは、自己表現の自由が担保されることと同義である。