騒動の渦中、現場の小売店ではかつてない異様な光景が広がっていました。スーパーの開店前から主婦や高齢者による長蛇の列ができ、開店と同時に米売り場へ殺到。入荷したわずか数十袋の米が数分で完売する事態が連日繰り返されました。「家族の人数分買えないのか」「入荷日はいつなのか」といった問い合わせやクレームが現場の従業員に殺到し、店舗運営に多大な負荷がかかりました。
この混乱をさらに加速させたのが、X(旧Twitter)をはじめとするSNSの拡散力です。「〇〇のスーパーで米が全滅」「次の入荷は未定」といった投稿がトレンドを席巻し、普段はまとめ買いをしない層までもが「今のうちに買っておかないと無くなる」という危機感に駆られました。フリマアプリでは、本来の2倍から3倍のプレミア価格をつけた転売行為が横行し、ネット上では転売ヤーに対する激しい批判と怒りの声が渦巻きました。
一方で、外食チェーンや給食施設などの業務用流通でも深刻な綱渡りが続きました。大口契約を結んでいた米穀店からの納品が滞り、古米のブレンド比率を高めたり、輸入米やパックご飯への切り替えを余儀なくされるなど、国民生活のあらゆる現場に混乱の波が押し寄せました。