幸せな日々は、あまりにも唐突に暗転する。2013年2月、山形達也医師は重い肝疾患の治療のため、アメリカ・ロサンゼルスの名門シダーズ・サイナイ医療センターへ渡航していた。待望の生体肝移植手術を目前に控えていた矢先、容態が急変する。
知らせが鈴木のもとに届いたのは、朝の情報生番組へ出演するわずか数時間前だった。夫の危篤、そして日本時間の2月1日、移植手術の直前に息を引き取ったという絶望的な一報。異国の地で旅立った夫のもとへ今すぐ駆け出したい衝動を抑え、彼女はプロフェッショナルとして生放送のスタジオに立ち、気丈に役目を全うした。
番組終了後、ロサンゼルスへと飛び立った彼女が対面したのは、冷たくなった夫の姿だった。後に開かれた会見で、鈴木は涙をこらえながら「本当に優しくて、私を一番に応援してくれた人でした」と語った。深い絶望の淵に突き落とされながらも、取り乱すことなく感謝を口にする姿は、日本中を深い悲しみと共感で包んだ。