都市部の幹線道路や住宅街の生活道路において、白線境界を巡るトラブルや危険なニアミスが後を絶ちません。警察の統計や事故鑑定の現場取材から、当事者たちの生々しい証言と認識の歪みが浮かび上がります。
都内の配送ドライバー(40代男性)は、現場の実情について次のように語ります。
「住宅街の狭い道路で荷降ろしをする際、歩道がないから路側帯だと分かっていても、0.75メートルの空間を空けて車を止めると対向車が通れなくなる。そのため無意識に左端ギリギリまで寄せてしまいがちですが、それが道交法違反であり、歩行者を車道側へ押し出す危険行為だと指導されて背筋が凍りました」
一方、自転車通勤を行うオフィスワーカー(30代女性)からは、逆走サイクリストへの恐怖の声が聞かれます。
「左側の路側帯をルール通り走っていると、正面からスマートフォンの画面を見ながら猛スピードで逆走してくる自転車と鉢合わせすることが日常茶飯事です。路側帯は幅が狭いため、避けるためには車道側へ膨らむしかなく、後方から来る車に轢かれそうになった経験が何度もあります」
交通事故の判例分析においても、路側帯内での事故は過失割合が極めてシビアに判定されます。歩行者専用路側帯や右側路側帯(逆走)を走っていた自転車が歩行者や車と接触した場合、通常よりも10%〜30%程度過失割合が重く加算修正される傾向が定着しています。「白線の内側だから守られている」という根拠のない安心感が、最悪の事故と過大な賠償責任を引き起こす引き金となっています。