一般道以上に極めて厳格な運用が求められるのが、高速道路における路肩の取り扱い事情です。高速道路では、たとえ幅の広い路肩が存在していても、原則として駐停車が全面的に禁止されています(道路交通法第75条の8)。
「メールを1本返信したい」「同乗者を降ろしたい」「眠気覚ましに少し目を閉じたい」といった理由で高速道路の路肩に停車することは完全な違法行為であり、高速自動車国道等運転者遵守事項違反や停車帯違反として取り締まりの対象となります。例外的に停車が認められるのは、以下の極めて限定的な状況のみです。
- 車両の故障、燃料切れ、パンクなどにより走行不能になった場合
- 交通事故が発生し、現場に停車せざるを得ない場合
- 急病や体調の急変により運転の継続が危険と判断される場合
- 料金の支払いや警察官の命令・危険防止のための停止
緊急停車を行う際にも、非常駐車帯と路肩の違いを意識しなければなりません。非常駐車帯は、トンネル内(約750m間隔)や土工部(約500m間隔)に設置された、路肩がさらに広くなった専用退避スペースです。自走が可能な状態であれば、単なる路肩ではなく非常駐車帯まで車両を移動させることが生存率を大幅に高めます。
万一路肩にやむを得ず緊急停止した場合は、ハザードランプを点灯させた上で、停止表示器材(三角表示板または停止表示灯)の設置と発炎筒の着火が法律で義務付けられています。高速道路警察隊の現場データによると、路肩停止中の車両に後続の大型トラックなどが追突する2次災害が絶えません。運転手と同乗者は車内に残らず、必ずガードレールの外側の安全な場所へ避難した上で非常電話や道路緊急ダイヤル(#9910)から通報を行うことが鉄則です。