書類作成のノウハウにおいて、長年議論されてきた「特になし」表記の是非。大手転職エージェントのキャリアアドバイザーや採用実務担当者の証言を総合すると、「特になし」や完全な空欄提出は、書類選考の段階で減点対象となるリスクが極めて高いのが実情です。
人事担当者が「特になし」という記述を目にした際、心理学でいう「ネガティビティ・バイアス(否定的な情報に強い注意を向ける心理傾向)」が働きやすくなります。具体的には、以下の3つの懸念が企業側に生じるためです。
- 記入漏れ・確認不足の疑念:単に書き忘れたのか、意図して書かなかったのかが判別できず、書類作成の慎重さに欠ける印象を与える。
- ビジネスマナーの知識不足:ビジネス文書において「無条件で合意する」という意思表示の定型句を知らないと判断される。
- 入社意欲の希薄さ:「どこでもいいから応募したのではないか」「自社の募集要項を精読していないのではないか」という不信感につながる。
これらを回避し、企業側の条件を全面的に受け入れる意思を示すフレーズが「貴社の規定に従いますの書き方」です。特別な制約がない場合は、シンプルに以下のように記載するのがビジネスマナーとしてのグローバルスタンダードとなっています。
【標準的な基本記載例】
貴社の規定に従います。
なお、応募先が一般企業ではなく、医療法人や学校法人、官公庁などの場合は呼称が異なる点に注意が必要です。病院であれば「貴院の規定に従います」、学校法人であれば「貴校(貴学)の規定に従います」、社会福祉法人等であれば「貴法人の規定に従います」と使い分けることで、細やかな配慮と教養の高さをアピールできます。