この問題が国を挙げた法整備へと発展した背景には、長年にわたる組織的な働きかけが存在する。特に、ハンマー投げの金メダリストでありスポーツ庁長官を務めた室伏広治氏らの強力なリーダーシップは決定的な転機となった。
室伏氏らは、単なるマナー違反として処理されていたアスリートへの盗撮を「性暴力・人権侵害」と明確に再定義。法務省や警察庁との協議を重ね、性的姿態撮影罪の制定および適用拡大へと繋げた。公益財団法人日本陸上競技連盟と日本オリンピック委員会もこれに同調し、全競技団体を網羅する横断的な防犯ネットワークを構築。指導者や選手への防犯教育、法律相談窓口の設置など、多角的な支援体制が確立された。