日本プロ野球機構の長い歴史を見渡しても、落合博満という打者が遺した功績は異彩を放っている。1982年、1985年、そして1986年。異次元のバッティング精度で相手投手を絶望の淵に突き落とし、パ・リーグで3度の三冠王に輝いた偉業は未だ破られていない。
だが、その華々しい栄光の陰には、常に圧倒的な孤独がつきまとっていた。神様と称された打撃フォーム「神主打法」は、独自の理論と絶え間ない試行錯誤の末に生み出されたものだ。誰の真似でもない、己の身体の声だけに耳を澄ませて磨き上げた技術。周囲からの批判やバッシングを黙々と結果でねじ伏せてきた日々こそが、落合博満という天才をより孤高の存在へと押し上げていった。