落合信彦の全盛期を知る世代にとって、その存在感は圧倒的だった。命がけの潜入取材、歴代大統領や要人への直接対談、そして冷徹な国際政治の力学を描き切る筆致。ハードボイルドな生き様を体現した数々の著作は、当時の読者を熱狂させた。
一方、息子の陽一は全く別の領域から世界を再定義し始めた。光と音を自在に操るメディアアートの旗手として頭角を現し、波動工学やデジタルファブリケーションを通じて物質とデータの融解を試みる。一方は地球上の泥臭いリアルを追い、もう一方はコンピューターによる新たな自然を描く。手法は正反対だ。だが、既存の枠組みに安住することを激しく拒絶する姿勢は、驚くほど酷似している。