ネットニュースや画像投稿で「貯水率急落」と騒がれる際、多くの人が見落としているのが「治水のための事前放流」です。特に梅雨時期や台風接近前、国土交通省やダム管理事務所は、豪雨による洪水被害を防ぐために意図的にダムの水位を下げて空き容量を確保します。
この事前放流によって水位が低下したダムの写真を切り取り、「水不足で大ピンチ」と誤認するケースが後を絶ちません。貯水率の数字を見る際は、それが「利水容量(生活用水として使える枠)」に対するパーセンテージなのか、「総貯水容量(洪水調節枠を含めた全体)」なのかを正確に区別する必要があります。
また、リアルタイムのダムデータを見る際には、単一ダムの数値ではなく、筑後川水系全体(江川・寺内・合所・筑後大堰)の統合貯水率を確認することが肝要です。特定のダムが工事や点検のために水位を下げている場合でも、他のダムから融通されているケースが多いためです。