麻婆豆腐を作るとき、最も意見が分かれるのが豆腐の種類です。結論から言えば、「どちらが間違い」ということはなく、目指す味わいと食感によって使い分けるのが正解です。
絹ごし豆腐の最大の魅力は、なんといっても「つるりとした滑らかな舌触りと喉越し」にあります。豆乳をそのまま固めて作るため水分量が多く、口に入れた瞬間に餡と一体になってとろけるような食感を演出できます。辛さをマイルドに包み込みたい場合や、あっさりとした広東風の味付けに仕上げたいときに最適です。
一方の木綿豆腐は、一度固めた豆乳を崩して圧力をかけ、水分を絞って成形します。そのため大豆の風味が濃く、しっかりとした弾力と噛みごたえが残ります。麻婆豆腐の力強い麻辣(マーラー)の刺激や、粗挽き肉のジューシーな旨味を受け止めるには、木綿豆腐の存在感が不可欠です。崩れにくいため、調理の難易度が低い点も大きな強みといえます。