中森明菜、小泉今日子、松本伊代、堀ちえみ、石川秀美ら錚々たるスターが揃い踏みした1982年デビューの「花の82年組」。その中で早見優が担ったポジションは、極めて特異かつ先進的なものでした。幼少期から7歳から14歳までをグアムやハワイで過ごした彼女は、流暢な英語力と褐色の小麦肌をトレードマークに、従来の「庇護欲をそそる儚げな日本のアイドル像」を根本から覆しました。
当時発売された水着写真集やアイドル誌のグラビアは、そのほとんどがハワイや常夏のビーチでロケーションが行われました。撮影現場に立ち会った当時の制作スタッフの手記や特番インタビューの証言によると、現場での彼女はカメラの前で不自然に媚びるポーズを一切取らず、現地の波と戯れるように自然体でビキニを着こなしていたといいます。
「日焼けはアイドルの大敵」とされた昭和の芸能界において、太陽の光を燦々と浴びたヘルシーなプロポーションは、爽やかなコカ・コーラのCMタイアップとともに社会現象となりました。媚びのない開放的な笑顔と、鍛え上げられたしなやかな手足。彼女が残した水着グラビアは、性的消費の対象としてではなく、健康的で自立したアクティブな女性像のシンボルとして人々の記憶に刻まれることとなったのです。