「食事制限をして体重は2キロ減ったのに、体組成計に乗ったら体脂肪率が2%上がっていた」という不可解な現象に悩む女性は後を絶ちません。この怪現象の背後には、生理学的な必然が存在します。
体脂肪率は「体脂肪量 ÷ 体重 × 100」という単純な比率計算で算出されます。カロリーだけを無理に削る食事制限を行うと、体内ではエネルギー不足を補うために、脂肪よりも先に分解しやすい骨格筋と体水分を消費します。分子(脂肪)はあまり減らずに分母(体重)だけが急激に縮小するため、結果として計算上の体脂肪率が跳ね上がってしまうのです。
加齢に伴う基礎代謝低下の真相も、誤解されがちなポイントです。国立健康・栄養研究所のデータが示す通り、加齢による基礎代謝の絶対的な減少幅は1日あたり100〜150kcal程度(おにぎり1個弱)に過ぎません。それにもかかわらず太りやすくなる真の要因は、日常の歩行数や家事活動強度の低下と、糖を取り込んで燃焼する最大の焼却炉である骨格筋の委縮が複合的に重なる点にあります。