2001年から日本テレビ放送網で放送が開始された『マネーの虎』は、日本のテレビ史における異端にして金字塔とも言える作品だ。起業を目指す志願者が自らの事業計画をプレゼンし、自腹で出資する社長たちから希望金額を獲得できるか否かというシンプルな構造。だが、そこに繰り広げられたのは生の欲望とプライドがぶつかり合う凄絶なドラマだった。
この番組は単なる「お金儲けのショー」ではなく、極めて純度の高いリアリティ番組であり、日本の投資バラエティというジャンルのパイオニアとなった。その殺伐としたスタジオの均衡を保っていたのが、他ならぬ吉田栄作である。感情を剥き出しにする出演者たちに対し、彼は過剰な介入を避け、徹底して中立を貫いた。必要最小限の言葉で場を締め括るスタイルが、かえって番組のリアルな緊張感を浮き彫りにしていたのだ。