SNS上などで「可愛い」と話題になることの多いイカ耳ですが、猫の心理としては決して穏やかな状態ではありません。耳が水平に開き、まるでイカのエンペラ(ヒレ)のように見えるこの形状は、猫が強い不快感やプレッシャーを感じているときの典型的な拒絶反応です。
動物行動学の現場検証において、猫が耳を後ろに倒す最大の理由は「物理的な自己防衛」にあります。野生下での喧嘩や捕食者との対峙において、薄くて傷つきやすい耳介は最も出血しやすく致命傷になりかねない急所です。突発的な攻撃を受けた際に耳を噛みちぎられたり爪で裂かれたりするリスクを最小限に抑えるため、頭蓋骨に沿うようにペタッと畳み込んでガードしているのです。
つまり、飼い主がしつこくなで回したり、無理な抱っこを続けたりした際に猫がイカ耳になった場合、それは「もうやめてほしい」「これ以上続けると手が出るよ」という最終警告のイエローカードといえます。