二代目藤間紫(市川猿翁)が守り抜いた流派の魂を託されたのが、初代の実孫である藤間爽子でした。幼少の頃から祖母・初代藤間紫に直接手ほどきを受け、その厳しい指導と愛情を一心に浴びて育った彼女は、卓越した舞踊のセンスを開花させていきます。
祖母の他界後は二代目市川猿翁に師事し、流派幹部や門弟たちからもその技術と人間性を高く評価されました。そして2018年、猿翁の指名と一門の総意により、弱冠24歳で「三代目藤間紫」の襲名と家元継承が正式決定したのです(2026年に正式継承)。
藤間爽子の特筆すべき点は、伝統舞踊の家元としての顔と、第一線で活躍する現代劇女優としての顔を見事に両立させていることです。2017年にNHK連続テレビ小説『ひよっこ』で女優デビューを果たすと、その後も話題のドラマ『silent』やNHK朝ドラ『ブギウギ』などで圧倒的な演技力を披露。劇団「阿佐ヶ谷スパイダース」の劇団員としても舞台に立ち、祖母譲りの表現力で観客を魅了し続けています。
Instagram(@fujimasawako_official)をはじめとする発信でも見られる通り、「古典芸能を身近なものにしたい」という現代的な感覚を持ち合わせ、敷居の高い日本舞踊界に新風を吹き込んでいます。