李鋭の遺産の中で最も世界的な論争を巻き起こしているのが、数十年にわたって書き継がれた『李鋭日記』である。彼が逝去する前、親族を通じて米国のスタンフォード大学フーヴァー研究所へ託されたこの記録は、1935年から2018年までの80年以上に及ぶ手書きのメガトン級ドキュメントだ。
ノート数十冊、数百万字に及ぶ日記には、中南海の奥深くで行われた非公式会談、長老たちの本音、さらには1989年の天安門事件前後の首脳部の生々しい動向が記されている。公文書館の奥深くに封印された公的記録とは異なり、個人の視線で捉えた「党の素顔」がそこにある。研究者たちはこれを、旧ソ連のフルシチョフ秘密報告にも匹敵する第一級の歴史的資料と位置づけている。