Q1:場面緘黙症の子が発表を免除されるのは、本当に「ずるい」ことなのでしょうか?
A1:客観的な事実として「ずるい(不当に得をしている)」わけではありません。当事者にとって発声の強要はパニック発作や失神寸前の恐怖であり、免除は命綱とも言える必要な医療的・教育的配慮です。ただし、周囲の生徒が「自分たちだけ負担を背負わされている」と感じるのも自然な感情です。資料作成や集計など、発話を伴わない代替の役割を公平に割り当て、負担の偏りをなくす工夫が求められます。
Q2:家ではお喋りなのに学校で話せないのは、本人の「わがまま」や「甘え」ではないのですか?
A2:わがままや甘えではありません。場面緘黙症は『DSM-5』に明記された不安障害の一種です。本人が話す相手や場所を意図的に計算して選んでいるのではなく、「安心が完全に保障された空間(家庭など)」以外では、脳の扁桃体が過剰に反応して身体が硬直(フリーズ反応)してしまう脳神経系の機能的反応です。本人の意思の強さや根性論でコントロールできるものではありません。
Q3:大人になっても場面緘黙が治らない場合、職場ではどう対処すべきですか?
A3:2026年4月より改正障害者差別解消法に基づき、民間企業でも合理的配慮が法的義務となっています。発話を必須としない業務設計(社内チャット、メール、共有ドキュメントによる意思疎通の徹底)や、静かな作業環境の確保が有効です。当事者自身も心療内科や精神科で社交不安症の治療(認知行動療法やSSRIによる薬物療法)を受けつつ、支援機関(障害者就業・生活支援センターなど)を介して職場と合意形成を図ることが推奨されます。