橋本氏が最期の闘病生活を送ったのは、東京都新宿区にある国立国際医療センター(現・国立国際医療研究センター病院)でした。国内最高峰の集中治療室(ICU)において、医師団による不眠不休の救命処置が続けられました。
腸管虚血に対処するため、医師団は壊死した腸を摘出する再手術を決断。結果として小腸の大部分と大腸のほぼ全域を切除せざるを得ない極限状態に追い込まれました。人工呼吸器や人工透析器が接続され、意識レベルが低下するなかでも、持ち前の強靭な精神力で生命の危機と対峙し続けました。
病室には妻の久美子氏をはじめとする親族が詰め、懸命に声をかけ続けました。しかし、敗血症性ショックによる循環動態の悪化は食い止められず、2006年7月1日午後2時、家族に見守られながら静かに息を引き取りました。満68歳、誕生日のわずか4週間前という無念の旅立ちでした。