時計の針を2006年7月まで巻き戻すと、当時の極楽とんぼは飛ぶ鳥を落とす勢いにありました。『めちゃイケ』の絶対的エースとして君臨し、数々の名物キャラクターを生み出していた山本圭壱。しかし、滞在先の北海道で発生した不祥事により所属事務所から専任マネジメント契約を解除され、番組からの即時降板を余儀なくされました。
相方の不祥事を受けて、翌朝の情報番組『スッキリ!!』で加藤浩次が深々と頭を下げ、涙ながらに謝罪した姿は日本中に衝撃を与えました。コンビとしての活動は無期限休止となり、加藤は「極楽とんぼの加藤浩次」を名乗り続けながら、たった一人で看板を背負い続ける過酷な闘争へと突入します。
一方の山本は芸能界から完全に身を引き、宮崎県での農作業や寺での修行、肉体労働など、表舞台から姿を消して贖罪と自省の日々を過ごしていました。その間、加藤は決してコンビ解散を選ばず、山本の復帰を信じて舞台やライブの可能性を模索し続けます。この10年間に及ぶ壮絶な空白期こそが、のちの奇跡的な復帰劇における感情のマグマを形成していきました。