門田稲荷神社で祈願を成就させるための要となるのが、絵馬奉納の儀礼だ。境内の絵馬掛けには、びっしりと願いが書き込まれた絵馬が並び、その熱量に圧倒される。だが、ただ感情をぶつけるように書けば利益が得られるわけではない。悪縁を断ち切った上で未来の良縁を引き寄せるには、抑えるべき作法が存在する。
最優先すべきは、他者への過度な怨念や呪詛の言葉を直接的に書かないことだ。神道での祈りは、自らの魂を清め高めるための行為。「〇〇との不調和な縁が穏やかに断ち切られ、双方が本来あるべき幸せな道へ進めますように」や「私自身の怠惰や病魔との縁を切り、健やかな人生を歩めますように」といった、主体性と前向きな決意を込めた表現が望ましい。また、プライバシー保護の観点から、個人名を伏せる工夫や保護シールを活用する参拝者も増えている。