村瀬の代名詞とも言えるのが、圧倒的な踏み込みから繰り出される「飛び込み面」だ。相手が反応する間すら与えず、一閃の如く面を捉える。
多くの剣士が力みに頼って前傾姿勢になりがちな場面でも、村瀬の軸はブレない。打突の瞬間に上体が前傾せず、背筋が垂直に保たれているため、審判から見ても極めて鮮明で「一本」になりやすい特徴を持つ。
相手の反応を奪う速度の秘密
速さの源泉は、筋肉の力任せな跳躍ではない。床を押し出す左足の蹴りと、右足の出し方が連動した効率的な運動連鎖にある。前兆(予備動作)を限界まで削ぎ落とすことで、相手は「打たれた瞬間」まで攻撃を予知できない。