『馬と鹿』を語る上で欠かせないのが、大泉洋が主演を務めたTBS系日曜劇場『ノーサイド・ゲーム』との圧倒的な相乗効果です。池井戸潤の小説を原作とし、低迷する社会人ラグビーチーム「アストロズ」の再起を描いた同作において、この楽曲は単なるテーマソングを超えた物語の推進力として機能しました。
ラグビーは、生身の肉体同士が激突し、1つのボールを前へ進めるために全員が泥だらけになって身を削るスポーツです。「ノーサイドの精神」が示す通り、試合が終われば敵味方なく互いを称え合いますが、戦っている最中はまさに剥き出しの闘争そのものです。
大泉洋演じる君嶋ゼネラルマネージャーの苦悩や、選手たちが歯を食いしばって逆境を覆す劇的なクライマックスに『馬と鹿』のイントロが重なる瞬間、視聴者の感情は最高潮に達しました。フィクションのドラマと米津玄師の音楽が、魂のレベルで共鳴した歴史的瞬間でした。