糸引き飴と一口に言っても、時代やメーカーによって多彩なバリエーションが存在しました。その中でも特に読者の記憶に強く残っている代表的な2大系統を振り返ります。
まず筆頭に挙げられるのが「フルーツ糸引き飴」です。赤(イチゴ味)、緑(メロン味)、黄(バナナ・レモン味)など、鮮やかな原色でコーティングされた半透明の飴玉が特徴でした。ハズレは親指の爪ほどの小さな球体ですが、当たりを引くと大人のピンポン玉に近い巨大な球体や、イチゴなどの果物を模した立体成型の飴が飛び出し、駄菓子屋の店内に歓声が上がったものです。
そしてもう一つ、強いインパクトを残したのが「大根飴」です。白い胴体に緑の葉を模した着色が施され、ミニチュアの大根そのものの形状をしていました。水飴と砂糖をベースにした素朴で優しい甘みの中に、ほんのりとした生姜や大根エキスの風味が効いており、見た目のユーモラスさと実直な美味しさで多くのファンを魅了しました。
これらの飴は、単に味を楽しむだけでなく「造形のユニークさ」と「くじ引きの射幸性」が高度に融合した、昭和・平成駄菓子文化の傑作といえます。