撮影テクノロジーがどれほど先鋭化しようと、現場を支えているのは泥臭い人間の息遣いだ。湾岸スタジオのバックヤードには、今も名物ロケ弁の段ボールが山積みになり、出番を待つキャストが張り詰めた面持ちで台本をめくる。
楽屋口を行き交う主役級スターたちの鋭いオーラ。わずか数分のシーンのために半日かけてセッティングを煮詰める美術スタッフの職人技。深夜、編集室のモニターの光に照らされながら、コンマ数秒のカット割りに頭を抱えるディレクターの背中。デジタル化の奔流に洗われながらも、この場所には昭和や平成から連綿と続く「映像屋」の執念が色濃く残っている。