ウポポイが誕生した根本的な背景には、2019年に制定された「アイヌ施策推進法」があります。この法律によって、アイヌの人々が日本の「先住民族」であることが初めて法律に明記され、独自の言語・宗教・文化を国の誇りとして次世代へ継承し、広く国民に普及・啓発するための拠点整備が急務となりました。
かつて同地にあった「白老ポロトコタン(アイヌ民族博物館)」の歴史的蓄積を引き継ぎつつ、日本政府が国家プロジェクトとして再整備を主導。愛称の「ウポポイ」はアイヌ語で「(おおぜいで)歌うこと」を意味し、民族の違いを超えて共に生きる社会を目指す理念が込められています。
単なる観光テーマパークではなく、歴史的に抑圧や同化政策の対象となってきたアイヌの尊厳を回復し、学術研究と教育のハブ機能を果たすことこそが、巨額の国費を投じて建設された本質的な理由です。