グラウンドで一際強い声を張り上げる主将に話を聞いた。背負う伝統の重みについて尋ねると、迷いのない眼差しで答えが返ってきた。
「周囲からは歴史ある強豪と呼ばれることもありますし、伝統の重みを感じないと言えば嘘になります。しかし、僕たちが戦うのは過去の歴史ではなく、今目の前にいるライバルです。先輩方が築いた基盤に感謝しつつも、自分たちの世代で新しい拓大紅陵の強さを証明したい」
その言葉には、古豪の再起という言葉を超えた、一人のアスリートとしての自律心が宿っていた。チーム内に漂う緊張感と一体感は、彼ら自身が自発的に課題を見つけ、解決しようとする姿勢から生まれている。