全国に数あるさつまいも産地の中でも、鳴門金時は唯一無二のテロワール(生育環境)を持っています。特許庁の地域団体商標としても厳格に保護されている「なると金時」は、徳島県鳴門市、徳島市、板野郡などの指定地域において、優良品種「高系14号」をベースに栽培されたさつまいもだけに冠される栄誉ある呼称です。
徳島県産鳴門金時の特徴を決定づけているのは、吉野川下流域の肥沃な河口と鳴門海峡の潮風がもたらすミネラル豊富な「海の砂地」です。水はけが極めて良く、余分な水分を吸わずに育つため、果肉の繊維が驚くほど緻密に引き締まります。皮色は鮮やかな紅色、加熱すると中身は目を見張るような黄金色に輝き、栗を思わせる風味豊かな甘さとホクホクとした心地よい粉質感が生まれます。
市場関係者の間でも評価が分かれるのが、地域ごとの個別ブランドです。中でも頂点に位置付けられているのが、鳴門市里浦町の砂地で栽培されるなると金時 里むすめ ブランドです。大田市場などの主要卸売市場でも最高ランクの価格帯で取引されており、贈答用としても重宝されています。里浦の砂地は白く細かな海砂で構成され、適度な塩分とミネラルを含んでいるため、皮が薄く、繊維のきめ細やかさは鳴門金時の中でも別格です。他にも松茂町の「松茂美人」や川内町の「甘姫」など、産地ごとに職人肌の農家が競い合いながら、最高品質の品質基準を維持し続けています。